VOL 10 −第4回経営勉強会 (有)溝渕木工 様−
全国襖工業会、第4回経営勉強会「価格交渉セミナー」が開催されました。
今回のリポートは溝渕木工、代表溝渕が担当します。
潟nリマ産業大久保社長が今勉強するべきテーマは価格のアップをいかにするかという事を示され、(公財)全国中小企業取引振興協会に依頼していただき、工業会の勉強会として講師を派遣していただいた次第です。
約3時間にわたるセミナーでしたが、一つ一つの事例など丁寧な説明があり、短い時間に感じられました。
後段で書きますが、個別指導を無料で三回受けられるとのことですので当社も個別に依頼しようと思います。
セミナーの要点は20年間デフレの続いている我が国で中小企業が親請け会社に不当に値下げをしいられていないか、またどうやって値上げの交渉するか、というテーマです。
政府が一億総活躍プランのひとつとして、下請け中小企業の取引条件の改善を図る目的として経産省、中小企業庁に支援のための予算をつけました。
いま我々はデフレの世の中で原材料は値段が上がるが製品価格に転嫁できないという大きな問題をかかえており、業界全体のもつ大きな課題の一つです。
当社は襖芯材メーカーとしまして、例えば材木価格、ノリの価格、紙代などわりと一方的な通告で価格があげられてしまいます。
さりとてでは実際の骨の販売価格をあげるとなると数年がかりのプランが必要となり、上げられたとしても他メーカーとの競争力の低下という重大な局面を迎えてしまいます。
今回講師はハンドブックをひきながら「こんな取引には要注意ですよ」と、例えば原材料価格などの上昇を無視した価格据え置きの半強要など、これは法令に違反する恐れがありますと詳しく説明をしていだきました。
こういう場面にも独禁法や下請法などの法令がかかわっているのだと知りました。
広範な内容のためなかなか一回のセミナーで完全に飲み込める分量ではないのですが、今回は特に下請法の内容に触れることができたと思いました。
経営者は下請法を理解すべきであるという趣旨のお話が一番の重要な点です。
下請法は簡単に言えば親事業者が守るべき行為を定めていて、守られない場合は行政が親事業者に対し法的措置もありうる、という内容の法律です。
我々は親会社とケンカしなさいということではなく、「正当」なロジック、話し方、交渉で不当な要求を受けないルールを示すことができるのです。
これは重要な理論武装ではないでしょうか。セミナーを通じて政府の支援が末端までいきわたっている感が感じられました。
今回のセミナーの開催に関して詳しくは中小企業庁のホームページを参照してください。
それぞれの自治体で無料のセミナーも開催されています。
簡単にご案内いたします。
1.事例集ハンドブックの作成
経営勉強会当日に配布されましたので、コピーを来られなかった事業所に発送いたします。
2.価格交渉サポートセミナーの開催
今回来られなかった方々はホームページをご覧いただきセミナーを受けることをおすすめいたします。
これから約200回セミナーを開催する予定だそうです。
また価格交渉サポート事業の一環で、公費で講師を派遣していただけます。
それぞれの企業に無料で三回派遣して個別にお話をしてもらえます。
今回このセミナーに来られなかったメンバーもぜひ個別指導を利用して今後に役立ててください。
以上、厳しい業界の状況ですが、知は力なりということで経営者も知識をつけることで前向きに、さらに上向きを目指してがんばろうと思います。
平成29年2月 (有)溝渕木工 溝渕 貴久
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